自然人類学とはどんな学問か?

 私たちは、ヒトを含む霊長類の進化・適応の過程とその背景を、幅広いテーマに基づいて研究しています。自分自身の由来への探究心は自然科学を誕生させた原動力であり、ミクロからマクロまで様々な階層で生物学的知見が集積しつつある現代において、ヒトの理解についての生物学的関心はますます高まると予想されます。
 しかし、どのような生物を対象としても、その本質を理解するには現在の適応を知るだけでは不十分であり、今に至る進化の歴史を理解することが欠かせません。直接観察できない過去を知るためには、様々な手がかりを用います。私たちがこれまで扱ってきた研究材料には、化石霊長類・化石人類とそれらに伴う他の動植物化石、縄文など国内外の古人骨とその遺跡、ヒト・類人猿を始め様々な種類の現生霊長類の歯牙、筋・骨格、脳などがあり、比較解剖学、古病理学、数量形態学、運動生理学、バイオメカニクス、安定同位体分析などの方法を用いて研究をしています。発掘資料は過去の一側面を切り取った直接証拠ですが、そこに閉じ込められている情報を引き出すには、注意深い観察と斬新な発想が必要です。分科に所属する教員だけで対応できる範囲は限られますが、共同研究者と協力して、できるだけ多様性の高い若手研究者を育成するように努めています。
 私たちの研究室では、海外での発掘調査を積極的に行っており、最近では、ケニア、トルコ、ジョージア、イランで調査を行いました。中でもケニアでの化石類人猿・人類の発掘調査は、30年以上継続している研究室の中心的プロジェクトで、人類学の教科書を書き換える発見をいくつもしてきました。




What's New

2024/11/15 滋賀県立膳所高等学校の学生さんへ中務教授が講義を行いました。
SSH講義題「アフリカへ行って化石を探そう」
2024/11/15 第133回総合博物館セミナー
川田助教「骨にみる産む・産まれるための戦略」
日時:2024年11月15日(金)16:30-18:00
博物館2階セミナー室とZoomのハイブリッド形式


2024/10/13 第49回進化人類学分科会シンポジウム
「人類進化論におけるボノボ研究のインパクト再考」
(共催:第78回日本人類学会大会 一般シンポジウム)
日時:2024年10月13日(日)16:00-18:00(梅田スカイビルタワーウエスト22階 B会場)
2024/10/1 受託研究員 西垣一也さんがメンバーに加わりました。
2024/6/24 富澤佑真(博士課程)、中務教授、森本准教授らの研究グループの論文が出版されました。
http://doi.org/10.1002/ajpa.24987
2024/6/13 森本准教授が第1回動物学教室ランチタイムセミナーで発表しました。
「閉経の有無は骨盤の加齢変化に違いをもたらすのか?ヒトとニホンザルの比較から考える。」
2024/6/3 河合塾【みらいぶっく〜学問研究紹介】に森本准教授の研究が紹介されました。
https://miraibook.jp/researcher/ss23044
2024/4/20 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻入試説明会(オンライン参加には事前申込が必要です。締切4/18) 修士課程大学院入試の受験を考えておられる方を対象に、説明会を開催いたします。
http://www.biol.sci.kyoto-u.ac.jp/examination/2024/03/05/5200/
2024/3/26 自然人類学研究室が日・ケニア間の友好親善に貢献したことから、在外公館長表彰を受けました。 岡庭健大使から中務教授に表彰状が授与されました。(写真:在ケニア日本国大使館HPより引用)
2024/3/25-3/26 学位記を受領しました。おめでとう!
2024/1/30 小田笙詞が修士論文公聴会を行いました。

2024/2/14 京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム第2回研究交流会
ポスター発表 小嶋 匠「ヒトとマカクにおける骨迷路形態形成の分化」
https://sci.kyoto-u.ac.jp/ja/news-244
2024/1/19 滋賀県立膳所高等学校の学生さんへ中務教授がナイロビからオンライン講義を行いました。 SSH講義題「アフリカへ行って化石を探そう」。
2023/12/25 クリスマス大文字山登山をしました。
2023/9/22 中務教授の還暦を祝う会を開きました。
2023/10/9 第48回進化人類学分科会シンポジウム
「中期中新世アフリカ化石産地ナチョラから探る大型類人猿の共通祖先」
(共催:第77回日本人類学会大会 一般シンポジウム)
日時:2023年10月9日(月・祝)9:30-11:30(第三会場/星稜キャンパス)
富澤 佑真「ナチョラピテクスにおける大腿骨近位部の形態と行動推定」
2023/10/7-10/9 第77回日本人類学会大会(仙台市)
口頭発表
森本 直記「アナトリア半島南部における後期更新世洞窟遺跡の発掘調査の予報」
小嶋 匠「ヒトとマカクにおける骨迷路形態形成の分化」
2023/9/3 東京新聞<フロンティア発>に森本准教授の研究が掲載されました。
2023/8/17-8/18 ケニアー日本60周年記念学術シンポジウム(ケニア、ナイロビ )
招待講演 中務真人
“From Samburu Hills to Nakali: in search of our ancestors”
2023/7/20 第99回日本解剖学会近畿支部学術集会のHPが公開されました。2023年11月18日(土)に京都大学理学研究科セミナーハウスで開催されます。登録期間:2023年7月20日(木)ー11月10日(金) https://sites.google.com/view/99thjaa
2023/7/17 森本准教授、川田助教らの研究グループが研究成果(リンク)を発表。
2023/6/29 貴船の川床に行きました。
2023/6/1-7/31 ケント州立大学のMAGRINI, SamanthaさんとMCKINNY, Scottさんが来研しました。縄文人骨の研究をします。
偏平脛骨と蹲踞姿勢の関連について行っている研究を紹介していただきました。
2023/4/22 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻入試説明会(事前申込締切4/20)
修士課程大学院入試の受験を考えておられる方を対象に、説明会を開催いたします。
http://www.biol.sci.kyoto-u.ac.jp/examination/2023/03/12/4583/
2023/4/11 人類学講座新入生歓迎会を開催しました。新たに修士1名がメンバーに加わりました。
2023/4/3-4/7 オハイオ州立大学のGREEN, Madelynさんが来研しました。縄文人骨の研究をします。
2023/4/3 川田美風が助教として着任しました。
2023/4/3 メンバーを更新しました。
2023/3/7-3/8 京都大学-チューリヒ大学戦略的パートナーシップジョイントシンポジウム 2023:データサイエンスと社会的インパクト(於 京都大学)
D3富澤 佑真が、ECRs (Early Career Researchers)’ Forumで自身の研究について発表しました。
2023/2/11 第3回日本フットケア・足病医学会年次学術集会(奈良市)
特別講演 中務 真人「私たちの足の進化史:サルの足、猿人の足、ヒトの足」
https://site2.convention.co.jp/jfcpm2023/

過去の記事




メディアクリップ

2024/6/3 河合塾【みらいぶっく〜学問研究紹介】に森本准教授の研究が紹介されました。
https://miraibook.jp/researcher/ss23044
2023/09/03

研究紹介記事
東京新聞<フロンティア発>に森本准教授の研究が掲載されました。

2022/04/12
川田 美風、森本准教授、中務教授らの研究グループが研究成果を発表。


京都新聞(4月12日 29面)、日本経済新聞(4月12日 38面)、朝日新聞(4月12日夕刊 6面)、読売新聞(4月13日夕刊 8面)、産経新聞(4月16日 24面)、毎日新聞(4月19日 18面)、NewScientist等に掲載されました。

リンク:京都大学のプレスリリース

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2021/06/30 中務教授らの研究グループが研究成果を発表。

朝日新聞(7月1日 23面)、京都新聞(7月1日 1面、27面)、産経新聞(6月30日夕刊 6面)、日刊工業新聞(6月30日 23面)、日本経済新聞(7月3日夕刊 7面)、毎日新聞(6月30日夕刊 30面、7月1日 24面)および読売新聞(6月30日夕刊 10面)、関西テレビ、テレビ大阪などで掲載・報道されました。

リンク:京都大学のプレスリリース

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2020/08/18 川田 美風、森本助教、中務教授らの研究グループが研究成果を発表。

京都新聞(8月18日 29面)、時事通信(8月18日)、日刊工業新聞(8月19日 27面)および財経新聞(8月20日)に掲載されました。

リンク:京都大学のプレスリリース

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2018/02/01 森本助教、中務教授の研究グループがスイス・チューリッヒ大学と共同で研究成果を発表。

読売新聞(2月1日34面)、京都新聞(2月1日26面)、時事通信(2月1日)、財経新聞(2月5日)、日刊工業新聞(2月5日電子版)、MBS(2月1日)、ABC(2月1日)、KBS京都ニュース(2月1日)で掲載・報道されました。

リンク:京都大学のプレスリリース

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2016/03/25 中務教授が共同代表を務めるケニアと日本が中心となった国際チームが研究成果を発表。

朝日新聞(3月25日37面)、読売新聞(3月25日37面)、産経新聞(4月5日23面)に掲載されました。

リンク:京都大学のプレスリリース

2012/04/20

研究紹介記事
「 京都まなびの系譜ー古生物 人の進化」に中務教授が掲載されました。

2012/04/20 京都新聞

過去の記事


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京都大学大学院理学研究科 自然人類学研究室
〒606-8502
京都市左京区北白川追分町
TEL:075-753-4083(代表)

交通機関・アクセス



日本人類学会 進化人類学分科会