研究の概要

(1) ポリネシア人の身体特徴の特異性に関する先史人類学的研究

南太平洋に住むポリネシア人の身体特徴には、いくつかの点で他の民族には類をみないほどのユニークさが認められる。たとえば大柄で骨太、筋肉質であるなどの体形である。そうしたユニークさは彼らの祖先が南太平洋に進出して、そこの特異な生活条件に適応したかたちで育まれた可能性が高い。人間の生活条件と身体形質の間の因果関係を知ることによって、人類の体形の進化を説明するシナリオを書く材料を発見するのが、この研究の目的である。

(2) 古人骨による骨考古学的研究

古人骨や化石人骨は、先史時代の人びとの体形や容貌、さらには詳細な生活の内容を復原するための重要な手段となる。ことに考古学の遺跡で出土した古人骨をもとにして、往時の人びとの生きざま死にざまを推測しようとするのが、この研究の骨子である。
 
 

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