はじめに
黒田末寿(滋賀県立大学・人間文化学部)



 霊長類は樹上性であるが、樹上でadaptive radiationを起こせたのは、平爪化し把握力の獲得によると考えられる。この能力は採食行動、ロコモーションを一変し、体重増加を可能にし、さらに新生児が母親にしがみつくことによって母子関係が変わるなど、霊長類進化の基盤を構成している。一方、人類は足の把握力を弱め直立2足歩行に特化した。この研究会では、比較行動・解剖の観点から、手足の把握・操作力について再検討したい。




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