後期中新世の類人猿の進化
國松 豊(京都大学・霊長類研究所)



従来、アフリカでは、主に東部の漸新世後期から中新世中期初頭の化石産地からさまざまな初期類人猿化石が発見されてきたが、中新世後半以降の類人猿化石はほとんど知られていない。対照的に、ユーラシアでは、その時期の類人猿化石がヨーロッパから中国に至る広い地域で見つかっている。中新世後期(1100万?500万年前)は、人類の起源を考える上で重要な時期であるが、これまで、アフリカではその時期の類人猿化石が極めて乏しかった。しかし、最近、日本隊によって、ケニヤ中北部のナカリ地域で新たに中新世後期の類人猿化石が発見され、アフリカの化石記録における知識の空白を埋めるものとして期待されている。





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