後期中新世の哺乳類動物相の変遷と交流
仲谷英夫(鹿児島大学・理学部)



サハラ以南のアフリカの後期中新世哺乳類動物相は、東アフリカでは後期中新 世の初期と末期に限られ、人類の起源に関連した700?1000万年前の動物相は 非常に少なかった。ケニア北部サンブルヒルズのナムルングレ層(約950万年 前)からはヒト上科化石を含む豊富な哺乳類化石を産出し、他の地域との比較 を行うことができ、かつてシワリク地域との関連が強いとされてきた当時の東 アフリカの動物相が北アフリカや西ヨーロッパの動物相との関連が強いことを 示した。ほぼ同時期のヒト上科を含む豊富な哺乳類化石が得られたナカリ層か らはパラテチス地域との関連を示す分類群もみられ、アフリカとユーラシアの 交流を詳細に検討することが可能になりつつある。





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