はじめに
石田英實(滋賀県立大学)



 2005年から特定領域研究「セム系部族社会の形成:ユーフラテス河中流域ビシュリ山系の総合研究(代表、大沼克彦)」が進行中であり、その中の計画研究として、「ユーフラテス河中流域とその周辺地域の住民に見られる形質の時代的変化(代表、石田英實)」が行われている。この研究の目的は、アッシリアやバビロンなど、西アジア古代王国の創建集団であるセム系民族の一大原郷が、シリア北東部ユーフラテス河中流域のビシュリ山系であったとする仮説を、古人骨に基づく形質分析から支持されるか否かを検討することである。

 そこで、このシンポジウムは、上記研究の基礎的研究として、メソポタミアを中心としたBC3000年紀以降の西アジア住民の形質を、頭蓋骨形態、歯牙の成長、3次元解析法の開発などを通じて分析し、その特徴を探る。





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