イラクにおける乳歯形態の時代変化について
北川賀一(長崎大学・大学院医歯薬)




1977年から1980年にかけて、バグダッド北東のハムリン盆地を中心に600体近いイラクの古人骨の発掘・収集がおこなわれた。時代により資料数にばらつきがあるが、古くはサマッラ期(前5千年紀前半)に遡る資料もあり、この地域における人類の時代変化を探る上で大変貴重な資料である。集団間の類縁性を明らかにする目的でこの資料の乳歯形態を調査した。資料数の関係で、ウバイド期(前5千年紀後半)、ジェムデット・ナスル期(前3100〜2800)、イシン・ラルサ期〜新アッシリア(前2000〜前7世紀)、イスラム期(7世紀〜)の4グループで歯冠計測値、非計測的形質の比較・検討をおこなった結果を報告する。





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