霊長類の種分岐と祖先集団の遺伝的多様性の推定

颯田葉子(総合研究大学院大学先導科学研究科生命体科学専攻)

Estimation of species divergence time and ancestral polymorphism in primate lineages
Yoko Satta(The Graduate university for Advanced Studies, Department of Biosystems Science)




 ヒト、チンパンジー、アカゲザルなどのゲノム情報が明らかになり、いままで主に遺伝子のコーディング領域の情報に基づいていた種分岐時間や祖先集団の多様性に関する解析の精度は飛躍的に改善された。この改善には、最近の解析方法の発展も大きく貢献している。これらの最近のデータと解析方法に基づく種分岐時間や祖先集団の多様性に関する推定値を紹介し、最近の化石データの示す種分岐時間との整合性を議論する。さらに、今から200~300万年前のアフリカ大陸でのヒトの祖先集団の大きな遺伝的多様性を示す遺伝学的知見を示し、霊長類系統での過去5000万年にわたるヒトの祖先集団の遺伝的多様性の変遷について述べる。






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